犬のかゆそうなそぶりは危険信号！原因と対策をしっかりと

頻繁に体をかく原因と観察すべきポイント

犬が体をかく原因の多くは皮膚病です。皮膚病には寄生虫や細菌感染といった外的要因と、アレルギーや自己免疫疾患といった内的要因のものがあります。

皮膚病の多くはかゆみだけでなく脱毛を引き起こします。また、皮膚に炎症を起こしていることも多く、フケが出ることもあります。犬はかゆみを感じたとき人間のように悪化を恐れて我慢するということはしません。なめたりかいたりするのはもちろん、いくらかいてもかゆみが治まらないときは出血し皮膚が壊れるまでかいてしまいます。こうするうちに皮膚病の症状はどんどん悪化してしまうのです。

犬がかゆがっている部位によってある程度何の皮膚病かを判断することもできます。例えば背筋に沿って腰や尾をかゆがっている場合はノミアレルギー性皮膚炎やクッシング症候群、耳の付け根や裏側のかゆみはミミセンダニ感染症、足のかゆみは膿皮症、目・耳・口・脇の下・腹部のかゆみは真菌、顔・耳の内側・目や口の周り・股の内側のかゆみはアレルギー、といったように、それぞれの原因によって症状が出やすい部位があります。

どこをかゆがっているかをよく見て、またその周辺の皮膚の変化にもよく注意してください。

ホットスポットとは？

ホットスポットとは表在性膿皮症と呼ばれる疾患で、皮膚に斑ができ、激しいかゆみを伴います。はっきりとした原因は不明ですが、免疫が落ちているときに皮膚に付着している細菌が増殖して発生することで起こると言われています。また、アレルギー体質が原因となって起こることもあり、例えばアトピー性皮膚炎を発症している場合に、患部をなめたりひっかいたりすることで炎症が悪化し、そこに細菌が感染するというケースもあります。

首や肩から背中にかけて症状が出ることが多いですが、足や顔に出ることもまれにあります。強烈なかゆみと脱毛症状が特徴で、病変部は熱を持ち、またその部分をかき壊すことによって表面に膿や血が付着して独特の臭いを放ちます。かゆみや痛みが続くことからストレスがたまり、イライラして怒りやすくなることもあります。

軽度のホットスポットは家で治療することができます。まず患部とその周辺の毛を切ってマイルドなスキンクレンザーなどを使って患部をキレイにしてください。キレイになった患部をしっかり消毒し、その後数滴のアロエジュースやマヌカハニーを塗っておくといいでしょう。激しいかゆみが続く場合は、冷水で湿らせたタオルで1日2〜4回冷湿布をして、かゆみを軽減してあげると治りやすくなります。

ホットスポットの予防法

一度ホットスポットになったことのある犬は、その後も再発することが多いと言われます。アレルギー体質が原因で起こっている場合もあるので、家で対処することで完治した場合でも、一度病院でアレルギー体質かどうかを調べてもらい、またその原因となる物質をチェックしてもらいましょう。原因がはっきりしたらそれを取り除くよう心がけてください。

また、ホットスポットは、夏にシャンプーをしたり水遊びをしたりした後になりやすいとも言われています。毛が濡れた状態で高温の中にいると、毛根が蒸れた状態が続き、細菌が感染しやすくなるからです。犬の毛が濡れてしまったときは、湿度の低い部屋でドライヤーを使って毛根までしっかり乾かすようにしましょう。

犬がかゆそうにしていたり、いつも同じ箇所をなめたりしていたら、飼い主さんが原因を取り除くよう早めに対処することでホットスポットに発展するのを防ぐことができます。そしてホットスポットになるときはたいてい免疫が下がっているときです。毎日の食事や環境の清潔さなどに注意して、免疫力をアップさせるよう対策を考えてみてください。